読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Gardens for Aliens

嫌われ者のフィロソフィ

典型的

f:id:sauerklee:20170413225431j:plain

撮影地:岐阜県東部 ( 2017. 4. )

 花の色が濃く、中心の白が目立つ、植物体に微毛がある、匂いがある等、「典型的なニオイタチツボスミレViola obtusa ) 」の特徴がある株。スミレ類は似たような種が多い上に、形質の多様性が高いため、こういう分かりやすい株は良いですね。安心してネットで公開できます。

 

 ついでなので、ニオイタチツボスミレっぽいけど断定しにくかった株達をいくつか載せておきます。

タイプその1

f:id:sauerklee:20170416221155j:plain

f:id:sauerklee:20170416221205j:plain

撮影地:岐阜県東部 ( 2017. 4. )

 

f:id:sauerklee:20170416221012j:plain

f:id:sauerklee:20170416221032j:plain

撮影地:愛知県西部 ( 2016. 4. )

 上の2つの集団はどちらも、花の形はニオイタチツボスミレらしく、芳香もあり、タチツボスミレ ( V. grypoceras ) より葉が長くなります。しかし、「典型的なニオイタチツボスミレ」と比べて花弁の色が薄く、花柄等に毛がありません。毛が無いのはナガバノタチツボスミレV. ovato-oblonga ) の特徴でもありますが・・・

 後に、確実にV. ovato-oblonga だろうという株(下の写真)を見つけたので、比較してみると・・・

f:id:sauerklee:20170423203410j:plain

明らかに別物な気がします。

 

タイプその2

f:id:sauerklee:20170416220758j:plain

f:id:sauerklee:20170416220819j:plain

撮影地:岐阜県東部 ( 2017. 4. )

 全体的に毛が生え、葉はタチツボスミレより細く、花の色が濃く芳香があります。しかし、花弁があまり重ならないため、花の形はタチツボスミレ的です。この集団の顕著な特徴は、距が緑がかった白色であることです。花弁の色とコントラストになって、この部分が特に目立ちます。オオタチツボスミレ ( V. kusanoana ) も距が白いらしいですが、葉の形等が異なります。この集団のすぐ近くでは「典型的ニオイタチツボスミレ」も多く見られ、2つの集団の生息地点がオーバーラップしている場所もありました。

 

おまけ

f:id:sauerklee:20170416235248j:plain

 上に載せた「距が白いスミレ」を撮影していたら、ヤマカガシを見つけました。小さくて分かりにくいですが、手前2株のスミレ類の上側に頭が写っています。

f:id:sauerklee:20170416235303j:plain

 全長60 cm 程度の、まだ若い個体でした。警戒されていたので、あまり近付かせてもらえず、目いっぱいズームでもこの程度です・・・

 ヤマカガシも色や模様の個体差が大きいですが、これは割と「典型的な」個体でしょう。この地域では、このタイプが多いですが、赤色が目立たない個体も見たことがあります。

 余談ですが、この場所では、ヤマカガシだけでなくマムシも見つかります。野外で生物を撮影するときは、目当ての種類だけでなく、危険な生物にも気を払わなければいけませんね~

春を感じる

f:id:sauerklee:20170309215252j:plain

シロイヌナズナArabidopsis thaliana ), 外来?

 昨年発芽した株。冬の間は直径1 cm 程度のロゼットでしたが、いつのまにか葉っぱも増えて、大きくなっていました。屋内で、ペットボトルに隔離して栽培していますが、ちゃんと季節の変化を感じ取っているのでしょうか。

 

f:id:sauerklee:20170309220140j:plain

Cardamine sp. 

 いくつかのタネツケバナ類は、500 ml ペットボトルが窮屈になってきました。いい加減に植え替えないとなあ・・・

渥美半島のダム湖

 渥美半島ではもう一つお目当ての生物、ハビコリハコベを探しに某ダム湖に行ったんですが、全く見つからず・・・。

f:id:sauerklee:20170202224915j:plain

撮影地:愛知県渥美半島 ( 2016. 7. )

 代わりにはびこっていたのはハゼの仲間。なぜかものすごい密度でいました。

 

f:id:sauerklee:20170202224945j:plain

 小さい個体ばかりでしたが、ウキゴリっぽいかな?元から生息していたのか、放流されたものかは分かりません。

f:id:sauerklee:20170202225002j:plain

 水深の浅い所は、夏の日差しで水温がお湯みたいになっており、素手で捕まえられるほど弱っている個体もいました。

 

f:id:sauerklee:20170202225036j:plain

 ハビコリハコベに限らず、水生植物自体少ない印象でした。一般人が入れない所ではもっと見つかるんでしょうか。上の写真は、水路に生えていた在来種のミズユキノシタ ( Ludwigia ovalis )。よく似た外国産の種で、アメリカミズユキノシタ ( L. repens ) やセイヨウミズユキノシタ ( L. palustris ) がいるようですが、これらは葉が対生することで区別できるらしいです。

名も知らぬ遠き国より

 もう去年の話になってしまいましたが、愛知県の渥美半島に行ってきました。

f:id:sauerklee:20160808211206j:plain

f:id:sauerklee:20160808211221j:plain

バクヤギク ( Carpobrotus cf. edulis ), 外来

撮影地:愛知県渥美半島 ( 2016. 7. )

 今回のお目当てのひとつ。渥美半島の先端部に定着しているらしいです。栽培されているような株も見られました。写真の花は小さなアリが入っていますが、昆虫に利用されることもあるんでしょうか。一応、ブルーデータブックあいち2012に従って " バクヤギク " としていますが、写真の株は明らかに花が小さいです ( C. edulis は花の直径が8~10 cm になるらしい )。

 C. edulis は同属他種と交雑することが示唆されており、交雑種は形態形質が多様になるらしい ( Albert, et al. 1997, Gallagher et al. 1997 ) です。また、ブルーデータブックには、単一系統のためか結実しないと書かれていますが、Suehs et al. ( 2004 ) は、C. edulis が自家受粉等により結実することを示唆しています。うーん、では、渥美半島に生えていたこの植物は何者なんでしょう。同属他種にも似たようなのはいるみたいなので、この写真だけでは、はっきりしたことは何も言えませんね。葉っぱの特徴とかもよく見ておけばよかった・・・

 

 ちなみに、同じく日本に帰化しているハマミズナ科の一種(Delosperma cooperi ?)もピンク色の花を付けますが、花弁の形や、花の中心部の色等が異なります。

参考 ↓

f:id:sauerklee:20160808212833j:plain

 

おまけ

f:id:sauerklee:20160808215345j:plain

ツルナ ( Tetragonia tetragonioides )

撮影地:愛知県渥美半島 ( 2016. 7. )

 バクヤギク等と同じく、ハマミズナ科の植物。日本では在来生物ってことでいい・・・のかな(調べてない)。浜辺に行くと、時々見つかります。渥美半島では普通種らしく、たくさん群落がありました。ちなみに、食べれます。

f:id:sauerklee:20160808215413j:plain

帰化している方々と同じ科なのかっていうくらい、花は小さくて地味。

 

参考文献

Albert M. E. D' Antonio C. M. and Schierenbeck K. A. 1997, Hybridization and introgression in Carpobrotus spp. ( Aizoaceae ) in California.Ⅰ. Morphological evidence, American Journal of Botany, Vol.84 (8): 896-904.

Gallagher K. G. Schierenbeck K. A. and D' Antonio C. M. 1997, Hybridization and introgression in Carpobrotus spp. ( Aizoaceae ) in California Ⅱ. Allozyme evidence, American Journal of Botany, Vol.84 (8): 905-911.

Suehs C. M. Affre L. and Médail F. 2004, Invasion dynamics of two alien Carpobrotus ( Aizoaceae ) taxa on a Mediterranean island:Ⅱ. Reproductive strategies, Heredity, Vol.92 (6): 550-556.

瀧崎吉伸・芹沢俊介, 2012, バクヤギク, 愛知県編, ブルーデータブックあいち2012 付属資料編, p.133.

林 弥栄監修, 門田裕一 改訂版監修, 2013, 増補改訂新版 野に咲く花, p.294, 山と渓谷社.

BMSBs feed on lamiaceae plants

クサギカメムシHalyomorpha halys ), 在来

撮影地:岐阜県東部 ( 2016. 10 )

Brown Marmorated Stink Bug, Native ( in Japan )

Location: East of Gifu Pref. ( Oct. 2016. )

f:id:sauerklee:20161203234929j:plain

H. halys feeding on Thymus longicaulis.

 

f:id:sauerklee:20161203235008j:plain

Feeding on Mentha spicata.

f:id:sauerklee:20161203235023j:plain

The apical shoot was shrunk by H. halys feeding.