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Gardens for Aliens

嫌われ者のフィロソフィ

越冬もりちゃ in the Room

Blattellidae

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モリチャバネゴキブリBlattella nipponica ), 在来

産地:岐阜県東部

 

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産地:茨城県南部

 冬は他の冬眠する動物たちと同じ部屋に置いているので、温度は5~10℃くらいです。空調とかで厳密に管理しているわけではないので、かなり変動があると思いますが、温度計を見ると、いつもその程度です。

 うちで飼育中のモリチャバネ達は、野外の集団以上にサイズがバラバラです。冬の野外では、成虫はめったに見られませんが、うちの飼育ケースでは、明らかに野外よりも成虫の割合が高い気がします。

 また、茨城県産の方は、毎年、1齢~3齢位(だと思う)のサイズのまま冬を迎えてしまう個体が多く、春になるまでに、それらの多くが死んでしまいます。そのため、飼育集団内の個体数は、冬になると激減し、夏に盛り返すというサイクルになっています。また殖えるのは分かっていても、死骸が日に日に増えていく様を見ていると、いろんな意味で精神的負担です。

 モリチャバネゴキブリは、成長や活動が日長に影響されることが示唆されており ( Tsuji 1985, 竹内・他 2004 ) 、飼育集団の齢構成のばらつきは、照明などの不自然な光環境による可能性がありますね。Tsuji ( 1985 ) は、最も低温に耐性を持つのが6齢と終齢幼虫だとしているため、うちでは、それより若い幼虫や成虫が多いことが、死亡率を上げている原因かもしれません。

 一方で、冬の野外でも多くの若齢幼虫が死んでいる可能性があり ( 富岡・柴山 1998 ) 、自然下では、適切な越冬ステージでない個体がいなくなるために、齢構成がある程度まとまって見えるのかもしれません。

 

 本種は身近な昆虫なんですが、生態に関しては、まだはっきり言えることがほとんど無い気がします。人間の役に立つわけでもなく、害虫と言えるほどでもないので、研究テーマにしにくいんでしょうかね。本種と同属種で全く生態の異なるチャバネゴキブリ ( B. germanica ) とを比較すると、なんとなく面白そうな気がしますけど。

 

参考文献

竹内将俊・平林純之介・大島裕之・田村正人, 2004, モリチャバネゴキブリの活動リズムに与える日長の影響, 家屋害虫 26 (2): 129-134.

富岡康浩・柴山 淳, 1998, 日本国内におけるゴキブリ類12種の分布記録, 家屋害虫 20  (1): 10-16.

Tsuji H. 1985, The Life Cycle of Blattella nipponica ASAHINA in Kyoto, Kontyu 53 (1): 42-48.