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嫌われ者のフィロソフィ

屍を超えて行け

 当ブログの主旨とは全然関係ないですが(今更か)、突然のマイナー生物飼育例シリーズ(?)です。

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 こちらは、ヒメヤスリヘビ ( Acrochordus granulatus ) です。飼育していた個体は現在、写真の通り死んでしまっているんですが、この種の飼育に関しての情報が少ないと思うので、一度書いておきたいと思っていました。

 まず、本種の飼育法はある程度確立されており、Lillywhite ( 1996 ) がまとめています。私は、この方の論文を参考にし、約4年間、写真の個体を飼育していました。ただ、私が飼育していたのはこの1個体のみであり、私の個人的な経験が他のケースにもそのまま適用できるかは保証できないので、ご了承ください。

 

飼育環境:

・水槽全体に水を張り、陸地は特に無し(このヘビは完全水棲なので、陸地は必要ありません)。

・水深は 5 cm 程。

・底に細かいサンゴ砂を敷き、ヘビが潜り込めるサイズの石を適当に配置。

・ヒーター(温度調節できるやつで、28℃に設定)

・陸上でも動けないわけではないので、脱走対策はしっかりと。ちなみに、うちの個体は購入直後、陸上ではぐったりして動かなかったんですが、今にして思うと、弱っていたんだと思います。

 

 水は人工海水を用いて、汽水を作っていました。論文中では60~70%の海水が推奨されていますが、私はかなり適当で、だいたい50%程度になるようにしていました。たまに気分で、ほぼ淡水にしたり、ほぼ海水にしたりしましたが、特に問題は無いようでした。自然下でも、淡水域から海水域まで見つかるので、塩濃度の適応範囲が広いのだと思います。ただ、ずっと淡水、またはずっと海水飼育は、怖かったのでしていません。

 水替えは1週間に一回程度、6~7割位の水を交換していました。このヘビは代謝が低いらしく、他の水生ヘビやカメに比べ、水が目に見えて汚れることはありませんでした。糞は、あまり溶けることはなく底に沈んでいるので、たまにピンセットでつまみ出していました。大きさからまだ若い個体だと思われますが、脱皮は3か月に1回程度でした。

 

  これはあまり知られていないのではないかと思いますが、このヘビは、汽水~海水で飼育していた場合、淡水を飲ませる必要があるそうです。うちでは、比重の違いで表面に浮いた淡水を飲ませる方法を採っていました。そのため、エアレーションやろ過装置など、水を撹拌するような物は入れませんでした。水の蒸発分を補うために、時折水道水を流し込んでいましたが、そうすると、口先を水面に付けて(論文中にあるように)、水を飲むような仕草をしていました(この行動をするときは、鼻孔が空気中に出るので、息継ぎしていただけかもしれませんが)。

 

 ・・・次に給餌について書こうとしたんですが、予想外に長くなったので、続きは次回にします。

 

参考文献

Lillywhite H.B. 1996, Husbandry of the Little File Snake, Acrochordus granulatus, ZooBiology, Vol: 15: 315-327.